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起業する際の税務上の手続き その2 青色申告と白色申告

こんにちは。
税理士法人アンサーズ会計事務所 税理士の野上浩二郎です。

前回のコラムで、青色申告の承認申請書の提出について記載しました。

「青色申告」「白色申告」という名前を聞いたことがある方は多いと思いますが、今回のコラムでは、申告手続きや税額計算上、具体的に何が異なるのか、解説したいと思います。

青色申告と白色申告の違い

「起業したので、今年初めて確定申告をする予定です。ところで、知人の個人事業主の方に、「青色申告」にした方が良いよ、と言われたのですが、どういうことでしょう?」

税理士「青色申告にすると、定額の控除を受けられるなどのメリットがあるので、個人事業主の方は青色申告にするのがオススメです。ただし、青色申告にするためには一定の要件があります。」

①「青色申告」の要件と「青色申告特別控除」

売上や経費に係る帳簿をきちんとつけると「青色申告」を選択することができます。
青色申告にすることで、10万円の「青色申告特別控除」を受けることができます。
(10万円の経費を作ったことになります。)

更に、簿記のルールに従って「複式簿記」で帳簿を付けると、青色申告特別控除が10万円から65万円に増額されます。

10万円に比べると、だいぶ大きな恩典となりますので、帳簿を付けるのが大変でも、個人事業主の方はなるべく65万円控除を目指した方が良いでしょう。

※所得税は最低でも5%課税され(平成25年より災害の復興税としてその2.1%が上乗せされるため、正確には5.105%)、また、住民税は一律10%です。そのため、課税所得がある方は最低でも15.105%の税金がかかることとなります。もし65万円控除出来れば、65万円×15.105%=98,182円分の税金の支払が減ることとなりますので、大きなメリットがあると言えるでしょう。(※税理士に10万円払って作業を依頼しても、減額分で元が取れてしまいます!)

②その他の主なメリット

・個人事業主の場合、原則として家族(奥様など)へのお給料は経費になりません。(家族へお金を渡しても、それは生活費・お小遣いでしょう、と見られてしまうわけです)
一定の要件を満たした場合には、白色申告の場合には「事業専従者控除」として、一定額が控除できますが、青色申告の場合には、事前に届出をすることで、「青色事業専従者給与」として、家族に支払ったお給料がそのまま経費に入れられます。一般的に青色申告の方が経費に入れられる金額は大きくなるため、メリットと言えるでしょう。

・事業はちゃんと利益が出て黒字で回るのが理想ですが、思わぬ支出で赤字になってしまう年もあるかもしれません。
そんな時、青色申告をしていると、生じた損失を翌年以後3年間繰り越して、翌年の利益とぶつけることができます。(翌年の税金を減らすことができます)
一方、白色申告だと、原則として、生じた損失は翌年には繰り越せず、切り捨てられてしまいますので、青色申告の方がメリットがあります。

まとめ

青色申告は白色申告に比べて、きちんと帳簿をつけないとならないが、その分、税金計算上のメリットを受けられるため、事業を拡大してしっかり利益を出して行きたい方は青色申告にするのがオススメ。

この記事を書いた人

税理士 野上浩二郎

税理士法人アンサーズ会計事務所
代表社員 税理士 野上浩二郎

吉祥寺で相続業務を専門に扱う税理士法人の代表税理士。年間30回を超える税務セミナーや、大手資格予備校の実務講座の講師も務め、難しい税金の話をわかりやすく伝えることに定評がある。

税理士法人アンサーズ会計事務所
http://www.ans-tax.jp


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