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知らないと大変なことになる!?法人にかかる税金について

こんにちは。
税理士法人アンサーズ会計事務所 税理士の野上浩二郎です。

前回のコラムでは、個人にかかる税金につきご紹介しました。

今回は、法人にかかる税金について書きたいと思います。個人もそうですが、法人は申告漏れがあるとより大変で、「知らなかった」ではすまされませんので、特に最近新設した方はしっかりと確認をしていきましょう。

所得(儲け)にかかる税金

法人税・事業税・住民税

法人の場合にも、個人と同様、事業で儲けが出ると税金が課税されます。
個人の場合には、給与所得・事業所得など10種類の所得があることをご紹介しましたが、法人の場合には、種類は分けずに、全て合計して法人税が課税されます。
(アパレルと飲食業と不動産業、など、複数の事業を展開している場合にも、内部的な処理としては部門を分けるなどして管理すると思いますが、申告は全て合算して行います。)

個人の場合には、1/1~12/31の暦年で区切って計算をしましたが、法人の場合には、自分で決めた決算期で1年間を区切って計算します。
大企業の場合には、3月決算(4/1~3/31)が多いですが、決算期は自分で好きに決められますので、個人同様12月決算にして1/1~12/31で計算しても良いですし、5月決算でも9月決算でも、構いません。何なら月末締めではなく、3/20決算(3/21~翌年3/20)にしても構いません。(色々面倒なので、お勧めはしませんが)

個人の場合には、所得税が超過累進税率(金額が大きくなるほど税率が上がる仕組み)で課税されますが、法人税は基本的に一律です。ただし、中小企業の場合には所得が800万円までは軽減される仕組みとなっているため、所得が800万以下か、800万超かで2段階で税率が変わるイメージとなります。

法人の場合にも国税である法人税だけでなく、地方税が存在します。
地方税には事業税と住民税があり、ともに、法人の所得に応じて課税されます。
住民税については、所得に関わらず課税される「均等割」という部分があり、この均等割が、最低で7万円課税されます。
そのため、法人の場合には、赤字であっても年間7万円は税金を納めないとならないということになります。
なお、均等割の額は、法人の資本金等の額により変動します。

給与にかかる税金

源泉所得税

厳密には法人にかかる税金ではなく、給料を受け取る従業員にかかる税金ですが、従業員に対してお給料を払う際に、そのお給料から所得税を天引きして国に納める義務が発生します。
一人でやっている会社であっても、社長が自分自身に支払う役員報酬についてもこの源泉税が発生しますので、忘れないよう注意しましょう。

資産にかかる税金

相続税・贈与税(?)

「相続」は人が亡くなった時に発生します。
法人については、「亡くなる」という概念がないため、法人に対しては原則として相続税や贈与税は課税されません。
法人が他者からタダでモノを貰った、という場合には、「受贈益」などとして利益が認識され、それも法人税に含まれて課税されることとなります。

登録免許税・不動産取得税・固定資産税

これらの税金は、法人でも個人同様課税されます。

また、法人の場合には法人設立時や、登記内容を変更した際にも登録免許税が課税されます。
法人設立時の登録免許税については、株式会社なのか合同会社なのか、また資本金をいくらにするのか等により変動があります。

消費にかかる税金

消費税

消費税についても個人同様に課税されます。

なお、消費税の課税事業者になるのは、原則として基準期間(2年前)の課税売上が1,000万円を超えた場合です。売上が1,000万円に達しないような小規模事業者や、居住用不動産の賃貸など消費税がかからない売上しかないような法人は消費税の課税事業者とはなりません。
法人設立直後は、基準期間(2年前)の数字がないため、原則として法人設立後最初の2年間は消費税がかからない免税事業者となります。ただし、資本金の額が1,000万円以上である場合など、一定の場合には課税事業者となってしまうため、注意が必要です。

まとめ

個人事業主で、ある程度事業が大きくなってくると法人化を検討することが良くあります。
その多くの理由は、高所得になってくると個人が「超過累進税率」で課税されるのに対し、法人の方が適用される税率が安いから、というものですが、法人にすることで余計にかかってくる手間やコストなどもありますので、法人化を検討する際には詳細なシミュレーションを行ってから、進めることをお勧めいたします。
また、前記の通り、資本金をいくらにするかにより「均等割」の額や、登録免許税の額、消費税の課税義務の判定などに影響が出ますので、資本金をいくらにするかはよく考えて設立しましょう。

この記事を書いた人

税理士 野上浩二郎

税理士法人アンサーズ会計事務所
代表社員 税理士 野上浩二郎

吉祥寺で相続業務を専門に扱う税理士法人の代表税理士。年間30回を超える税務セミナーや、大手資格予備校の実務講座の講師も務め、難しい税金の話をわかりやすく伝えることに定評がある。

税理士法人アンサーズ会計事務所
http://www.ans-tax.jp


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