こんにちは、新川です。
今回はビジネスでは欠かせない「敬語」について詳しく書いていきたいと思います。
クライアントに送るメールで、電話対応で、上司に対して、と会社で敬語をつかう場面はたくさんありますよね。
敬語を使いこなしている人は、大人として格好いいですし、ビジネスパートナーとしても信頼できます。
すでに社会人として経験をついんでいる方や、学生でもアルバイトで上司やお客さんと対応している方はすでに「敬語」を使うスキルは身についているかもしれません。
しかし、その敬語本当に正しいですか?
実は、間違えてつかわれている、もしくは、間違ったままの使われ方が定着してしまっている敬語って意外と多いんです。
ということで、今回は間違えやすい敬語を例にあげつつ、正しい敬語のつかい方をまとめていきます。皆さんの敬語のスキルアップにつながれば嬉しいです。
尊敬語と謙譲語
まずは、尊敬語と謙譲語についてお話していきます。
国語の授業のような見出しになってしまいましたが、ここさえマスターすれば敬語の9割をマスターしたといっても過言ではないでしょう。それほど敬語の基礎だということです。
しかし、その基礎部分を間違えている人がちらほらいることも事実です。
手始めに尊敬語と謙譲語を完璧に理解し、正しい敬語を身につけていきましょう。
尊敬語とは
尊敬語とは、相手を持ち上げて会話の相手に敬意を表す表現です。
敬う相手の行う動作に用いて相手を敬う言葉ですので、尊敬語を自分につかうことがないように気をつけましょう。
基本的には、動詞に「れる」または「られる」を付けて使用することで尊敬語になります。
また尊敬語専用の語句がありますので押さえておきましょう。
- ご覧になる(見る)
- おっしゃる(言う)
- 召し上がる(食べる)
- いらっしゃる(来る)
では次は謙譲語について見ていきましょう。
謙譲語とは
謙譲語は、自分がへりくだることで会話の相手に敬意を表す表現です。
尊敬語と違い、主に自分の動作に使用します。
謙譲語でよく使用するものを挙げておきます。
- 拝見する(見る)
- 申す(言う)
- いただく(食べる)
- 参る(来る)
以上のことを踏まえ、よくある間違いの例を見ていきましょう。
よくある間違いと二重敬語
尊敬語と謙譲語について説明してきましたが、次はよくある間違いについてまとめていきます。
もちろん間違っていても伝わらなくはないですが、正しい敬語がつかわれていないと文章的にも気持ち悪いですし、印象もよくありません。
しっかりと対策をして実際の場面で正しい敬語をつかえるようにしたいですね。
敬う相手を明確に
尊敬語と謙譲語でをつかう際のよくある間違いというのが、敬意の対象が誰なのかを不明確なままなんとなくで敬語をつかっているため起きているようです。
例えば、会社外の方からの電話が、外出している自分の上司宛てにかかってきた場合、このような受け答えをしていませんか?
ただ今、◯◯さんは外出しております。
この場合、敬わなければならないのは電話をかけてきた会社外の方ですよね。
ですので、自分の上司に「さん」と敬称をつけてしまうのは、NGです。
他にも
お客様が申し上げました。
というように、謙譲語を敬う相手の動作に使用してしまうことがないようにしましょう。
二重敬語
次に、よく使われている間違いが「二重敬語」です。
丁寧に言おうとするあまり敬語を重ねてしまう気持ちはとてもわかりますが、敬語を重ねて使用するのは日本語として正しくありません。
例えば、
資料はご覧になられましたか。
と、「ご覧になる」という敬語表現にプラスして「れる」という敬語表現が重ねられています。これは二重敬語になり間違いです。
資料はご覧になりましたか。
こちらが正しい文章ですね。
敬語をたくさん使えばそれだけ敬意を表せるということではありません。
正しい敬語を知っている人からすると「慇懃無礼」「マナー知らず」と思われることもありますので正しく敬語を使用していきたいですね。
実は失礼な表現
次は、よく耳にする言葉だけど、実は失礼になってしまう表現をご紹介します。 周りで知らずにつかっている人もいるかもしれません。ここで正しく理解して周りと一歩差をつけたいですね。
実は失礼な表現例と正しい表現例
よく耳にする実は失礼な表現をいくつかご紹介していきます。
実は失礼な表現例 | 正しい表現例 |
---|---|
了解しました | 承知いたしました・かしこまりました |
しばらくぶりです | ご無沙汰しております |
大変参考になりました | 大変勉強になりました |
なるほどですね | その通りですね・おっしゃる通りです |
おわかりいただけたでしょうか | ご理解いただけたでしょうか |
お座りください | おかけください |
いつもお世話様です | いつもお世話になっております |
「了解しました」や「なるほどですね」は特によく耳にしますね。
皆さんの周りでも使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし実はこれらは、基本的に目下の人に対してつかう言葉になりますでので、上司やお客様につかう表現ではありませんので気をつけましょう。
定着しつつある間違った敬語
間違った敬語表現をしてしまう原因の1つに、間違った表現が世間で定着してしまっているということがあります。
ファミリーレストランやコンビニエンスストアでは当たり前のように使われているので、私たちにとっても特に違和感なく聞こえてしまいます。
中には定着してしまっていて、間違いとは言えなくなってきた表現もありますが、本来の正しい使い方を知っておくとより良いでしょう。
代表的な間違い例をまとめておきます。
よくある間違いと正しい表現
よくある間違い例 | 正しい表現例 |
---|---|
お体をご自愛ください | ご自愛ください |
私の方で担当いたします | 私が担当いたします |
〜になります | 〜でございます |
◯◯社長さま | ◯◯社長 |
◯◯各位様 | ◯◯各位 |
1つずつ解説をしていきます。
「ご自愛」自体に「体を大事にする」という意味が含まれていますの「お体を」をつける必要はありません。
「〜の方で」はよく聞きますが、日本語として必要ない表現です。
「〜になります」はファミリーレストランでもよく耳にしますよね。しかし基本的に「なります」は状態が変化していくものに対してつかう言葉なので間違いです。
「◯◯社長」というような役職名には敬称をつける必要はありません。同じく「◯◯各位」も「各位」自体が「皆様」という意味で使われているのでさらに敬称をつけるのは間違いです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ポイントをまとめると以下の通りです。
- 尊敬語と謙譲語は敬う相手を明確にして使用する
- 敬語を重ねてつかうのは二重敬語になり間違い
- よく聞く表現でも実は間違っているものがある
少しでも皆様のビジネスシーンでお役に立てると嬉しいです。
この記事を書いた人
新川恵里(しんかわえり)
私立高校国語科の教員経験を経て、フリーライター見習中。
SEO、リサーチを日々習慣にしながら、わかりやすく親しみがあり、表現力のあるライティングと誠実な対応を心がけています。
趣味は旅行とカメラとカフェ巡り、お酒と美味しいごはんも欠かせない。