こんにちは。三善屋の山内です。
前回はクライアント側も知っておいた方が良い印刷用語を紹介しましたが、今回はデザイナーが知っておきたい印刷用語をまとめました。
印刷用語ってめちゃくちゃありますからね。まずはデータ作成編です。
普段仕事でつかってないとなかなか覚えられないと思いますが、これからデザイナーを目指す方は参考になさってください。
トンボ
イラストレーター初心者講座でも紹介しましたが、トンボとは印刷物を断裁するための目印です。トリムマークと呼ばれたりもします。
A4サイズで印刷物をつくりたいなら、210×297mmの仕上がりで、3mmの塗り足しがあるトンボをつける必要があります。
トンボが付いてないと印刷所は印刷してくれません。
塗り足し
塗り足しとは、用紙の端まで印刷したい場合に仕上りサイズよりも3mm大きめに絵柄を配置する領域です。ドブとか裁ち落としとか呼ぶこともあります。
絵柄を仕上がりギリギリで配置しておくと、断裁でずれたとき白い紙の部分が出てしまうことがあるので、それを防止するためです。
サムネ
サムネイル(thumbnail)です。
アイディア出すときの簡単なスケッチです。
とりあえず「ロゴのサムネ100案だせ!」と新人デザイナーを苦しめるデザイン会社はいっぱいあるそうです。
カクハン
角版です。
写真を四角く使うことを言います。
切り抜かなくていいので楽ですね。
切り抜き
写真を必要な部分だけ切り出す画像加工です。
背景いらないので人物だけ切り抜きたい!というのはよくあるお話。昔は切り抜き台が1点500円〜1,000円位しましたけど、今じゃネットで100円くらいで切り抜いてくれます。
ネットの切り抜きをしてるのはアジアの外国の方が多いみたいですよ。
切り抜きを自分でやる時代は終わりました…。
トリミング
写真やイラストの全体をつかわず、使用範囲を指定することを言います。
この写真は全身写ってるけど、顔しか使わないからトリミングしといて!といった感じに使います。
解像度
解像度は、画像における画素の密度のことです。単位はdpi。
1インチあたりにいくつピクセルがあるかという数値。よくわからない内は、印刷物の画像は350dpi、webの画像は72dpiで原寸の画像を使うということだけ覚えておきましょう。
この数値を下回ると、いわゆる粗い画像となります。まあ印刷物は300dpiくらいでも一般の人は差がわからないと思います。
アタリ
アタリ画像ともいいます。
画像が入るスペースに、仮の画像をいれておくことです。
昔はPCの処理が遅かったので、使う画像の解像度を下げたものを貼り付けて作業していました。
そして、高解像度の画像に貼り替え忘れて印刷してしまい大事故に…最近はそんな事故はないんでしょうね。
CMYK
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、キープレート(K)。
簡単に言うと、青、赤、黄、黒の4色のインクを使うのでCMYKです。
この4色のインクで大概の色は表現できますが、金色や蛍光色などは特色といい、別にインクを用意する必要があります。
フォント
文字の書体です。
というと誤りで、本来は書体とフォントは別物です。
ですが日本では同義になってる気がするので、同じデザインの文字の集まりという認識でよいと思います。
有名なのはモリサワのフォントですね。美しい書体がいっぱい!
級数(Q数)
文字の大きさです。
パソコンが普及する前は、写植といってひとつひとつの文字を選び焼き付けて印刷の版を作ってました。そのときの単位がQ。1Qは0.25mmです。
まあ、最近では級数の単位を使わず、pt(ポイント)の単位で作業しちゃうデザイナーが多いのかな?どうなんでしょ。
行間
文章の行と行の間です。
行間は広すぎても狭すぎても読みにくくなります。文字サイズの50〜100%くらいが適切と言われています。
個人的には70〜80%が好き。100%は広すぎるかな。
アウトライン化
アウトライン化とは文字を図形化することです。
図形化することでフォント情報はなくなり、テキストの打ち直しができなくなります。
なぜこんなことをするのかというと、印刷会社にないフォントがデータに使われていると、違うフォントに置き換えられて、見た目が変わってしまうからです。
入稿するときにアウトライン化すればフォントトラブルはありません。
台割
書籍や雑誌等のページ物の印刷物を作るときに、どのページに何を記載して、全部で何ページするかをまとめたものを台割といいます。
まあ設計図ですね。
面付け
ページ物の印刷物が、正しく印刷・加工されるように各ページのデータを配置していく作業です。
ページ物は1ページにつき1枚刷るのではなく、1枚の大きな紙に何ページも貼り付けて刷るので、面付けの作業が必要になります。
表1・表4
表1は表表紙、表4は裏表紙のことです。
表表紙の裏が表2、裏表紙の裏が表3です。
文字だけ見てると混乱しそう…。
小口・のど
本を開いた時の左右外側の部分が小口。
本を開いた時の内側の部分がのどです。
天・地
印刷物を正面から見て、上が天、下が地です。
印刷物によっては裏側を横向きにしたり、ひっくり返して刷ることがあるので、天地の指定は重要です。
ノンブル
ページの端っこに書かれているページ番号です。
ページ番号と言わずノンブルと言う方がプロっぽいですね!
柱
紙面の上部や、ノンブルの近くにあるページの情報のことを柱といいます。
いま特集ページだなとか、いま5章なんだなとかがわかりやすくなります。
終わりに
以上、デザイナーが知っておきたい印刷用語20選でした。
書いてるうちにあれもこれもと入れたくなり、記事の作成が終わらなくなりますな…。
次回はプレス編です。
それではまた!
この記事を書いた人
山内 裕介(やまうち ゆうすけ)
1978年生まれ。株式会社三善屋代表取締役。
ドラクエウォーク楽しすぎです。時間あったらすぐランニングにいきたくなるゲームですねえ。